ベトナム化

米大統領がベトナム戦争の遂行途上に打ち出した政策で、ベトナム戦争の非アメリカ化と表裏をなします。ニクソンは1969年5月14日、合意が達成され次第、すべての非南ベトナム軍隊はその大部分の撤退を開始する以下8項目の政策を提案しました。一つには膨大な軍事費の節約、一つには南内のベトナム反戦の世論に抑えて、ベトナム人をしてベトナム人と戦わせる路線に切り替えるベトナム化の狙いでした。しかし、そのためには南ベトナム臨時革命政府支配地域の平定あるいは縮小、南ベトナム政府軍の拡充、南ベトナム政情の安完が必要案件であり、アメリカ軍の撤退にもかかわらずこの案件が充たされる方向には進みませんでした。北ベトナムおよび南ベトナム臨時革命政府側では、ベトナム化もアメリカによる侵略の合理化と戦争継続の一手段にすぎないと見ました。事実、ニクソンのベトナム化提唱以来、戦火はカンボジア、ラオスへ拡大再燃し、ベトナム戦争はインドシナ戦争となり、ベトナム人をしてベトナム人と戦わせる段階からインドシナ人をしてインドシナ人と戦わせる方向へ進みました。

インドシナとベトナム戦争

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