南ベトナム開放民族戦線

南ベトナムで1956年頃から広範に起こった反米、反ゴ・ディン・ジェムの政治闘争と59年頃から起こった分散的な武装闘争の結合として、60年12月20日に結成された民族、民主統一戦線です。創立のときの活動綱領には、米帝国主義の植民地制度とアメリカの手先ゴ・ディン・ジェムの独裁政権を倒して、民族・民主連合政府を造ることのほか、民主制度の採用、土地改革、平和中立政策などがうたわれ、民主党、急進社会党、人民革命党、仏教、キリスト教、ガオダイ教、ホアハオ教などの宗教勢力と、解放農民協会、解放労働者協会ほか20余の大衆団体が参加していました。アメリカ及び南ベトナム軍との戦闘のほか、解放区における行政、経済、文化建設の指導、在外機関の設置など、事実上の政府としての機能を果たしてきました。議長はサイゴン出身の弁護士グエンフー・ト、その下に各界を代表する六人の副議長、多数の中央委員があり、解放軍の司令官は農民出身のチャン・ナム・チュン。69年6月、ベトナム民族民主平和勢力運合とともに、南ベトナム共和国臨時革命政府を樹立しましたが、解放民族戦線は、民族統一戦線として軍事と建設の二つの面で活動していました。

インドシナとベトナム戦争

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